特別セミナー

本日、9:30〜15:40(途中、臨時総会を挟む)、神戸市男女共同参画センター(あすてっぷKOBE)にて、「地域包括支援センター専門研修&障害者自立支援法について」というテーマで特別セミナーが開催されました。


午前の部

①2005年度地域支援包括支援センター社会福祉士実務研修モデル研修(伝達研修) 
長田ケアホーム 施設長 山内賢治氏

2006年度4月1日に志向される「地域包括支援センター」の総合相談・権利擁護事業を担う社会福祉士に必要な知識・技能の習得を図るためにプログラムされたものであり、国が今後検討する「3職種個別研修(社会福祉士部門)」を想定し、国と協議しながら、職能団体として先行し、実施する研修となっている。


・「地域包括支援センター」に必置とされる社会福祉士に求められる知識・技能とは?
    ↓
 介護保険制度改正によって事務量が増えると予想される新予防給付業務に専念するのではなく、地域に根ざした住民中心の、顔の見える社会福祉士であることが必要で、そのためにも地域に入り込み、信頼を得ることが必要。
 

 また、地域包括支援センター業務において、社会福祉士が専門職として明確に位置づけられたこと(ということは、「世間の目に『社会福祉士』がさらされる」)を受け、その専門性を発揮することへの期待と、そのためのスキルアップを自らに課すことが重要である。



地域包括支援センター関係の最新情報と今後の動き
協同の苑 六甲アイランド在宅介護支援センター 千原 陽子氏


地域包括支援センター職員に対する全国研修が1月に行われた


兵庫県下・神戸市の動き
  新予防給付(要支援1・2)対象者に対する介護予防プラン研修(2日間)
  地域包括支援センターの4つの機能(ネットワーク構築、総合相談・支援、包括的・継続的ケアマネジメント、介護予防ケアマネジメント)のうち、目前に迫っているのは、"介護予防ケアマネジメント"。


日本社会福祉士会の動き
  全国モデル研修の実施(山内氏より伝達)
  各支部主催『地域包括支援センター社会福祉士実務研修』(H18年夏以降開催)に向けての指導者研修(各支部代表)の開催


兵庫県社会福祉士会の動き
  地域包括支援センター支援委員会の設置(H17.6.2 設置)
  運営協議会への参画
  各ブロックごとに委員会を組織化し(5〜6月ごろ)、情報交換や研修などを開催予定
  全国実務者研修:各支部ごとに開催(H18年夏以降)
  事例検討会:ぱあとなあ兵庫との連携、弁護士等の参画や、ブロックごとの開催を検討
  スーパーヴィジョン体制については今後検討していく。
  


午後の部

平成18年度4月施行 〜「障害者自立支援法」ってどうなっているの?〜
発表者 愛心園 原 信行氏、福田 崇徳氏 
助言者 神戸女子大学 植戸 貴子氏


全国社会福祉協議会発行のパンフレット(http://www.shakyo.or.jp/pamphlet.htmlこちらではタダで見ることができます)に沿って、自立支援法について説明。


パンフレット2ページ目
障害者自立支援法のポイント
 1.障害者のサービスを「一元化」
    市町村にサービス提供能力に格差がある
    現場の受け入れ態勢が整っていない

 
 2.利用者本位のサービス体系に再編成
    自閉症などの難病が組み込まれていない


 3.障害者が「もっと働ける社会」に就労支援の抜本的強化


 4.公平なサービス利用のための「手引きや基準の透明化、明確化」


 5.増大する福祉サービスなどの費用を皆で負担し、支え合う仕組みの強化


パンフレット4・5ページ目
・新たなサービス体系
 介護給付・訓練等給付・生活支援事業
  →将来的には介護保険と統合するか?

 
 つい先日、各事業についての報酬単価(案)が示された。
 社会福祉法人 日本身体障害者団体連合会←ここでpdf形式で見ることができます


パンフレット8・9・10ページ目
・利用者負担の仕組み
 基本的には応能負担→応益負担へ
 低所得の人への減免措置はあるが・・・


支援費制度は「高級車に軽4輪のエンジンを積んだ」(→予算不足)
と例えられている。

今回の自立支援法は「ジャンボジェット機に片道分のガソリンしか積まずに飛び立とうとしている」→理念は高いが、行ったっきりで帰ってくることができるのであろうか?


今回の研修では、地域包括支援センター障害者自立支援法という、福祉業界でHOTな話題について学ぶことができました。

「ただ、国が決めたことに振り回されずに、サービスや社会資源を知っているというだけではなく、人的ネットワークを活かし、ソーシャルワークを展開することのできる、『顔の見える社会福祉士』であることが必要。」と重野副会長が締めくくってくださいました。


我々社会福祉士が「文殊の知恵」を出し合い、連携し、ネットワークを作り上げてソーシャルアクションを起こしていくことが必要だと痛感した研修でした。


講師の皆様、準備をされたスタッフの皆様、どうもありがとうございました。